12月20日(水)、福岡で博多港に寄港する訪日クルーズ客を想定したユニバーサルツーリズム半日モデルコースモニターが実施されました。
当日は社会福祉法人福岡市身体障害者福祉協会から車いすモニターとして清水会長、介助者に加いただき、訪日視点として福岡で活動するお二人、Open Mindからブルースさん(米国)、うきは市地域協力隊のズズさん(台湾)。
訪日×ユニバーサルツーリズムは地域の高齢者・障がい者観光相談窓口の方々が外国語の対応できなくても、通訳がいればクリアするということで、(一社)九州通訳•翻訳者•ガイド協会の柴田副会長にも参加いただきました。
その後宗像大社に移動しました。
正面から参道を進むと数段の階段がある橋の回避で玉砂利の境内を移動しなくてはいけません。
電動車いすはサポートなくても進みますが、手動車いすは慣れた介助者じゃないと押すのは厳しい砂利の深さでした。
駐車場から脇の整備された参道に行くことも可能なので、お参りの際はご注意ください。
門の段差解消で設置された黒いスロープ、じつはこの角度だと自走の車いす使用者が上るには急すぎます。もう少し緩やかなスロープにすると一人でも上ることができます。
歴史的建造物の寺社仏閣はそもそもバリアがあるのがあたりまえ。国内で多くの参拝客が訪れる寺社仏閣では様々な工夫でそのバリアをクリアされています。
〈伊勢神宮 『伊勢おもてなしヘルパー』〉
変えられないハードのバリアを「人」ソフト面で誰もが参拝できる伊勢神宮に取組んでおられます。※上記リンクをクリックしてみてください。
〈出雲大社〉
ハード整備がされていて、参道にはわかりやすい車いすルートがあります。拝殿は正面の階段は残したまま、右側は全面スロープになっています。
〈明治神宮〉
参道の両サイドが砂利と同系色で整備されています。結果、車いすに限らずほとんどの参拝客が整備された参道を歩いていました。
拝殿参拝は車いすの方は階段の手前でお参りします。
お祓いの時には宮司がそこまで来て対応されていました。
できないこと「車いすは拝殿に上がれない」だけではなく、できること「宮司が車いすのほうに寄る」、障害者差別解消法の「合理的配慮の提供」の参考になる好事例の1つでした。
来年4月には改正障害者差別解消法の施行により、今までは民間事業者は努力義務だった合理的配慮の提供は義務化されます。
昼食は宗像の「みよし」さん
郊外に建つ店舗には、バリアフリートイレがあり
車いすでもゆったりと食事ができます。
最後に寄ったのは唐津街道の赤間宿「街道の駅 赤間館」。
江戸時代の鰻の寝床建築を体感できる奥行き60mの施設は車いすでも見学しやすくなっていますが、道路幅が狭く車いすではやや危険を感じるという意見がありました。
まち歩きで訪れる施設はバリアも多く、赤間館と隣りの酒蔵「勝屋酒蔵」(10〜3月は仕込みのため見学不可)に絞った見学がほどよいかもしれません。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
0コメント