旅をあきらめない〈浅草車いす人力車〉
車いすの方が乗降できる人力車を一緒に作りませんか?
2012年5月22日、東京スカイツリーが開業しました。
東京スカイツリーができると、すぐ近くの観光地「浅草」には今まで以上に国内外から多様な方々が訪れると考えた私は、開業の半年前、2011年11月14日に1枚の提案書だけ持って浅草の人力車屋「時代屋」さんを訪れました。
歩いて観光する浅草は、歩きにくい方、足腰が不安な方にとって人力車はすごく便利な乗り物です。
ただ、車いすの方を座席に移乗するのはご本人にも、車夫にも負担がかかります。
車いす自体を人力車の椅子の高さまで上げて、乗り換えられるようなプラットフォームを作りませんか?と初対面の担当者に伝えたのです。
わずか2時間後に携帯に連絡があり「社長も是非やりましょう!となりました」と嬉しい連絡をいただきました。
その後、何度かのやり取りをしてほぼ完成品ができたは2012年5月11日、スカイツリーの開業前でした。
待ち合わせの場所に行ってみると、なんとリヤカーに載せて自転車で引っ張って現れたのです。
組み立ててもらうとイメージ通りどころか、想像以上の完成度でした。
その後色が塗られ、微調整が行われて完成となり、2012年6月14日には数組のお客様に協力いただき試乗会が行われました。
普段は車いすの高さの視線のお父さんと、車いすを押す高さの視線のお母さん、2人並んで浅草を楽しんでいただくことでき
「昔、浅草をデートした時のようだった」という感想が印象的でした。
このプラットフォームは「バリアフリー・リキシャステーション」と名付けれられました。
まだこの時は、オリンピック・パラリンピックは東京に決まっておらず、2013年9月に東京での開催がきまると東京都のアクセシブルツーリズム推進が加速しました。
2019年には、東京都アクセシブル・ツーリズムポータルサイトが開設され、海外の方に東京のバリアフリーを紹介するPVに「バリアフリー・リキシャステーション」が紹介されました。(再生開始から2分11秒~)
※東京都アクセシブルツーリズムポータルサイトの構築と上記PVの制作事業の全体の統括を担当しました。