令和6年度観光庁予算決定とユニバーサルツーリズム

12月22日(月)、閣議決定した予算案の概要が観光庁のサイトで公開されました。

前年度比1.64倍の約503億円、令和5年度補正予算の約690億円とあわせると約1200億円となります。

ユニバーサルツーリズム関連に目を向けると

「ユニバーサルツーリズム促進事業」として3,000万円の予算での事業は、大きくは

●「心のバリアフリー認定制度」のさらなる拡充

●バリアフリー情報を必要とする旅行者への情報提供の充実

の2つで、この事業自体は事務局が選定され粛々と執行されるでしょう。

人にやさしい観光地(自治体)の見える化が加速!

「心のバリアフリー認定制度」は令和2年12月25日から募集が始まり、3年経った令和5年11月現在全国で1,368件(宿泊、飲食、観光案内所、博物館・美術館)が認定を受けています。

民間施設でも独自に制度を理解し、積極的に取組まれるホテルチェーン等も見受けられますが、自治体として啓発、セミナー、申請支援に取組まれているところは認定件数が大幅に増加していますね。

県別の認定件数を表にし、1年前と比較すると明確にその差が見えてきます。

今年4月にユニバーサルツーリズム推進条例を施行した兵庫県は、県独自でも「ひょうごユニバーサルなお宿」制度や人材育成、セミナーを実施していて、その成果が表れていると思われます。

観光庁がこの認定制度を推進することでユニバーサルツーリズムに感心を持ち理解する観光事業者が増え、ユニバーサルツーリズムの推進に大きくプラスになると私は思っています。

1月〜3月の公募に注目を!

全国の自治体や観光協会、民間事業者で観光庁の補助金を活用してユニバーサルツーリズムを推進しようと考えた場合は上記促進事業ではなく、他の公募型事業が重要になります。

宿泊施設のバリアフリー化は「地域における受入環境整備促進事業」。

※この事業の申請に際しても「心のバリアフリー認定」が条件となります。

観光地のユニバーサル対応としては「ICT等を活用した観光地のインバウンド受入環境整備の高度化」事業に参画することが可能です。

補正予算からは、令和2年度の「誘客多角化事業」、令和3年度「域内連携促進事業」、令和4年度「看板商品創出事業」、令和5年度「観光コンテンツ造成支援事業」に続く事業が来年度も公募されることが想定されます。

ユニバーサルツーリズムは上記あらゆるテーマに汎用が可能ということを頭に入れておき、地域の課題や売りになる資源を、予算の有効活用で実現されると良いと思います。

今年度の事業で解説していますのでご参照ください。

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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。