11月17日(日)、石川県白山市のスカイ獅子吼パラグライダースクールにやってきました。
目的は、パラグライダーを視覚障がい者でも体験できるのか?の検証のためです。
一年前に白山市の観光素材をユニバーサルツーリズム視点で視察をしました。
その際、獅子吼高原ではパラグライダーが体験できることを知り、急きょパラグライダースクールに立ち寄りお話を伺いました。
過去視覚障がい者の自動車運転体験ツアー、ヨット体験、セスナ操縦体験を実現してきた経験から、パラグライダーは離陸と着陸のところの安全が確認できれば、飛んでる時は見えていても、見えなくても同じ状況だろうと思い、離着陸のことを教えてもらったのです。
シロウト考えでは、離陸の際は指示に従って走ればいい、着陸の時に地面の位置が見えないと駆け降りることは難しいと思っていました。
聞くと、着陸時立っていなくてもお尻にクッションがあり、足を前に上げてお尻から着陸する方法があることがわかり、それなら安全に体験できるのではと考えたのです。
その後白山市観光連盟では、会員向けのユニバーサルツーリズム研修会を先月実施しています。
昨年、同行した白山市観光連盟の方ももし実現できたら素晴らしい、と前向きに検討いただき今回実際に私がアイマスクを着用し、体験しながら安全面の検証を行うことになりました。
事務所での受付けを済ませ、車でゴンドラ乗り場に移動し山頂を目指します。
山頂からは白山市、その向こうに日本海を一望できます。
ここでタンデム用のハーネスをスタッフの方に装着してもらいます。
このお尻のクッションを使って着陸時はお尻から。実際の状態をシミュレーションします。
準備が整ったらいよいよフライト!
この日は、風がやや強くもう少し強ければ中止というコンディションだったので以下の動画の離陸時は少し後ろに引っ張られています。
また、着陸地点は無風だったことと、私の重力のため一見ドスン!と着陸していますが、お尻のクッションで安全に着陸できました。
その様子をご覧ください。
今回お世話になった「スカイ獅子吼パラグライダースクール」では30年以上営業してきた中で、視覚障がい者の受け入れは過去なかったと言われました。
・当事者はどういう仕組みかわからないのでやりたいと言う人がいない。(極端に少ない)
・家族や付き添いは、そんなことできるわけないと思ってしまう。
・事業者側は障がい者と接する機会が少ないため検討する機会もなかった。
これは、既存のプログラムのバリアフリー対応、障がい者の受け入れを考える際に誰もが普通に考えよくあることで、そのことが問題ではありません。
誰か(今回で言えば私)が、「できないでしょうか?」と投げかけた時に、即答で「無理」という回答の方々とはそれ以上先に進みません、今回のスクールのように「どうやったら受け入れできるか?」を一緒に考え、一つ一つ検証し記録を残すことで実現の可否を判断すれば良いだけなのです。
少なくとも、旅行会社時代に視覚障がい者ツアーを国内外約20年運営してきた私は、自然・風という条件さえ揃えば安全に提供できるプログラムだと判断できました。
今回のような白山市での進め方、①観光資源のユニバーサルツーリズム現状調査 ②理解・啓発のためのユニバーサルツーリズム研修 ③プログラムの具体的ユニバーサルツーリズム対応検証 を行うことで、全国どんな観光地でもできることはゼロでないと考えます。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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