11/1(水)2日目は白山温泉郷の宿を出発し、白山白川郷ホワイトロードからスタートしました。
山の中腹はまさに紅葉真っただ中、ベストシーズンのピーカンという最高のドライブ日和で白山山頂もくっきりと姿を現してくれました。
ホワイトロードは白山側のスタート地点にはビジターセンターにバリアフリートイレがあり、全長約25kmの道中にはいくつかの休憩所にバリアフリートイレが整備されています。
トンネルを抜け岐阜県側に入ると、白川展望台があります。ここにはお茶屋があり、おみやげや飲食もできますが高いレベルでバリアフリー整備されています。
白川郷の合掌造り集落を望む展望台には、駐車場から長い階段を昇らないといけません。
この長い階段のバリアフリー対応は、長く緩やかな坂で整備された遊歩道で入口には『車イスをお貸しします。「蓮如茶屋」に申し出下さい。』というサインがわかりやすく表示されています。
観光地での貸出車いすやベビーカーは、貸していることを見える化していないと問い合わせをした方しか借りないですよね。結果ニーズが少ないという解釈をしてしまうことに繋がります。
展望台の上にも新しく整備されたバリアフリートイレがあります。
車イスを貸し出しているという蓮如茶屋に行ってみました。
ここでは陶芸・木彫・和紙・ガラス・石彫・木工・絵画・染色・加賀友禅などの作家が、この里を拠点として活躍していて、作品が展示してある「ふるさと工房」は入口は階段ですが裏手にスロープがあります。
作家との交流や予約制の体験教室などが行われるアート&クラフト館も入口はスロープで高齢者施設や障がい者施設などで団体で体験することもできます。
表には日本の名木百選、国指定天然記念物、樹齢約700年の超大きな杉で
仏飯を盛ったような形から、「御仏供杉(おぼけすぎ)」と名付けられた大きな杉があり、すぐ近くまで木道が整備されています。
最後に訪れたのは白山市を一望できる獅子吼高原です。
ここから眺めると白山市が白山から流れる手取川を中心にした扇状地ということが良くわかりました。天気や風の状態が良い日は多くのパラグライダーが空を舞っています。
ここまではゴンドラで上がることができますが、乗り場の横には「獅子ワールド館」があり、巨大な獅子頭をはじめとして海外のものまで展示されています。
展示物に「手を触れないでください。」という表記は全国の博物館や民間施設では当たり前と思われている表記ですが、視覚障がい者でも触れて学べる博物館も増えていることなどを責任者にもお伝えしましたところ「確かに!是非、できることは取組みたい」という嬉しいお答えをいただけました。
海外のタッチツアー、鹿児島県立博物館のタッチツアーについて寄稿した記事を参照ください。
高原の山頂に上がるにはゴンドラを利用します。
正面から乗り場を見ると階段ですが、脇に2つのスロープを使ってゴンドラ乗り場まで上がることができます。小さなゴンドラなのでギリギリ車イス1台を畳んで乗せ込み、席に移乗する必要があるあかなという印象を持ちました。
山頂駅でゴンドラを降りると、屋内も階段、屋外の展望エリアに行くには6段の階段がありました。
階段を降りなくても写真のような景色は楽しめますが、最後に残る6段の階段を長いスロープにすることができたらあの眺望を楽しめると思うと、何か対応できるとすごく良いですね。
これも全国の観光地で同様な状況はたくさんあり、地元の方にとってはコレが当たり前で何十年もきていただけなのです。
下の画像は、先日訪問した鹿児島県喜界島空港で、小型プロペラ機からの乗降を数段のタラップではなくスロープで対応している事例です。
ユニバーサルツーリズムの視点で一つ一つ観光施設や地域を確認していくと課題が見えてきて、ピンポイントで対応も見えてきます。
今回の白山市は、現時点でユニバーサルツーリズム推進を事業化しているわけではありません。
まずは現状を知ることで、何かできることがあるのか?ないのか?から検討するための入口の入口でお声かけいただきました。
2日間視察した感想としては、行政、観光関係者の理解が深まるだけで取組めることがたくさんある観光地だと思いました。
オフィス・フチではこのような検討のための同行視察・レポートも行っています。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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