福山市 わずか3ヶ月で視覚障がい者シーカヤックツアー実現!

9月29日(月)〜30日(火)、広島県福山市で『瀬戸内海シーカヤックと福山・鞆の浦体感の旅 2日間』が催行されました。

6/12の打合せから、7/21-22の視覚障がい者ツアー研修・観光素材調査、8/12からツアー募集開始、わずか2日で定員の5名満席、そしてこのたびツアー実施となりました。

ここまでの経緯は下記を参照ください。

11時、東京、神奈川、静岡、兵庫、広島から参加者はそれぞれ単独で福山駅に来ます。

参加者をお迎えするのは、岡山県倉敷市の社会福祉法人王慈福祉会から胡谷理事長、内間さん、城山さんの3名、神戸でユニバーサルツーリズムに取組むセントラルツアーズの三浦さん、地元福山の小川さんが手引き研修としてマンツーマンでサポートします。

参加者到着前に打合せをし、新幹線の到着に合わせて参加者が駅員さんと一緒に改札口まで来たところでお迎えします。

※視覚障がい者ツアーは出発地まではJR等のサポートで単独で集合いただけるので福山駅集合の着地型ツアーが企画できるのです。

合流した後は、今回のツアーを主催された旅行会社、福山観光旅行㈱に移動し全員の自己紹介、そして早速福山の郷土料理「うずみ寿司」でランチ。

※募集時にも伝えていますが、手引き研修参加者は視覚障がい者の手引きは初めての方々です。ツアースタート前に改めてその旨を伝え、手引きの仕方を教えていただくよう確認をします。

昼食後は福山駅から路線バスで約40分、潮待ちの港「鞆の浦」に移動しました。

まずは観光ボランティアのお父さんのガイドで鞆の浦のまち歩き。

細い路地を抜けてくる潮の香りを楽しみながら、古い町並みを歩き

鞆の浦の名産品「保命酒」屋さんでは、店頭で干されている十数種類の生薬の香りを嗅いだり、試飲をしてもらいました。すぐにお買い上げの方も・・・。

まち歩きの後、いよいよ渡船「平成いろは丸」でわずか5分ほどの仙酔島に渡りシーカヤック体験です。

桟橋から3分ほど歩いた砂浜にはすでにカヤック、シューズが用意されていて「村上水軍商会」の村上さんによるレクチャーから体験スタート。

最初にオールの漕ぎ方、次に後部席に座る手引き者に操作方法の指導があり、参加者はカヤックの大きさ、形状を確認してから乗り込みます。

そして、穏やかな瀬戸内の海に漕ぎ出して行きました。

砂浜から見える小島の周りをグルっと一周するコースです。

最初はどうなるかと砂浜から見ていましたが、2人の息が合ってくると海の上をスイスイ滑るように楽しまれました。その様子はコチラ

シーカヤックを存分に楽しんでいただいた後は、渡船、バスで福山駅に戻り18:30には駅前の「福山オリエンタルホテル」にチェックイン。

※単独参加の視覚障がい者はシングルルームに滞在いただきます。客室内がコンパクトなビジネスホテルが配置を把握しやすく使いやすいです。

19:00からホテルから20mほどの居酒屋「串BAR58」で、飲み放題宴会です。

日中のカヤックの感想を言い合ったり、今まで行った旅の話、途中サプライズで沖縄出身の店主による三線ライブもあり、おおいに盛り上がり参加者の絆が深まりました。

2日目はふんだんに地元野菜が使われたホテル自慢のビュッフェ朝食から始まりました。


ホテルチェックアウト後、9:00から徒歩で福山城観光。

残念ながらエレベーターで最上階まで上がれる天守閣が展示入替えのため臨時休館だったため、中には入れませんでしたが、福山観光旅行の漆川さんのガイドで城内を巡り、福山市内で精密鋳造部品等を手がける㈱キャステムさんからお借りした築城時の福山城1/250サイズ3D模型に触れて福山城を体感いただきました。

その後、当初は徒歩で30分ほど歩いて「福山自動車時計博物館」に移動する予定でしたが、博物館のご厚意で福山城まで昔懐かしいボンネットバスで迎えにきてくださいました。

これも地域に根ざす旅行会社が企画するからこその地域連携だと思います。

この博物館は展示物のほとんどに触れたり、乗ったりできるので、視覚障がい者向けタッチツアーには最高な施設です。

参加者からも「大満足!」の感想をいただきました。

博物館タッチツアー後は、2日間最後のプログラム「本場広島のお好み焼き」を食す!

通常昼営業していない「はっせい伏見店」も漆川さんとのお友達対応で貸切り提供いただきました。

熱々の鉄板にのったお好み焼きを小さなヘラで食べる広島スタイルにチャレンジする方もいました。

食後、参加者には今後のツアー参考のために2日間の感想を述べていただきました。

皆さん2日間福山、鞆の浦を楽しんでいただけたようで、3カ月準備してきたことがしっかりとカタチに残せて大変嬉しく思います。

そして、駅でお土産を買っていただきそれぞれ福山を後にされました。

今回、オブザーバーとして広島県観光連盟から1名、旅行専門誌の記者1名、ツアー視察として全国3200社以上の旅行会社を会員として有する「株式会社全旅」から役員2名に2日間同行いただきました。

私はこれからのユニバーサルツーリズムは、今回のように地域に根ざす旅行会社(第2種、第3種旅行業)が地域の強みを活かした着地型ツアーや、地域住民の高齢化に伴う旅行寿命の延命も重要だと思っています。全旅の役員の方々に実際のツアーを視察いただけたことは大変ありがたいことです。

すぐに何か新しいことが生まれなくても、着地型ユニバーサルツアーに可能性を感じていただけたら幸いです。

ツアーを主催した福山観光旅行㈱では、ツアーの継続を決めておられて次回は4月を予定しています。

視覚障がい者へのツアー参加募集と共に、2日間の手引きを研修としても販売する予定ですので、興味をお持ちの企業や大学の方がいらっしゃったら、新入社員研修や観光科の学生研修などにご活用ください。

問合せ先:福山観光旅行株式会社

担当:漆川(うるしかわ)

電話:084-924-5816

メール:info@fkr268.jp







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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。