7月21日(月)、福山市で視覚障がい者に楽しんでもらえるツアーを企画するためのユニバーサルツーリズム研修が実施されました。(主催・運営 福山市地域おこし協力隊 河村由実子さん/協力 福山観光旅行株式会社〈広島県知事登録旅行業第2-68号〉)
(前列一番左:福山観光旅行㈱の漆川治樹さん、二番目:地域おこし協力隊の河村由実子さん)
私が関わることになったきっかけは、6月8日(日)に開催された広島県観光連盟(HIT)主催の「第1回ユニバーサルツーリズムワークショップひろしま」にオンライン参加したところからです。
開催直前に連盟の方から可能であればオンラインで参加し、感想などを聞かせてほしいと連絡があり、懇意にしている車いすトラベラー三代達也さんが登壇するということもあって参加しました。
その後三代さんから、運営した地域おこし協力隊の河村さんが鞆の浦で視覚障がい者に楽しんでもらえるプログラムを模索しているのでと私とつないでくれました。
河村さんとオンラインで意見交換したのは、わずか4日後の6月12日(木)
その中で任期中の9月末までに視覚障がい者向けツアーの実施までできないか?という一見無謀とも思える話題が出てきました。
・スケジュールだけを考えたらできないことはない
・仮に私が現地を見ることができたらその場でプログラムを検討できる
(私が最初にユニバーサルツーリズムに携わったのは1999年視覚障がい者向けの四国八十八ヶ所お遍路ツアーで、以降国内外様々なツアーを企画した経験があります)
伝えたところ「企画方法を学び、現地を確認するための研修を7月に計画するので福山に来てください!」その場で今回の研修が決まり、1週間後の6月18日(水)には上記募集が告知されました。
このスピード感は本気度の表れ、ならばヒゲボウズオッサンは協力する!しか選択肢はありません。
10:05、参加者は今回のプロジェクトでツアーを販売する福山観光旅行㈱に集まりました。
福山市役所観光戦略課、広島県観光連盟、旅行業、医療、福祉、様々な立場の方が私を含めて11名、和やかな雰囲気で自己紹介からスタート。
昭和46年設立、地域に根ざして3代目という福山観光旅行㈱からはファミリーで参加されました。
私は「四国お遍路ツアーから〇〇ツアーまで」と題して、全国のユニバーサルツーリズムの取組みや過去の国内外のツアーの様子を解説し、まずはユニバーサルツーリズムとはどんな旅行なのかを参加者に理解いただきました。
その後は、視覚障がい者向けにはどのようなツアーを国内外で実施してきたかをお話し
〇〇ツアーまでの、〇〇は
・世界初!視覚障がい者自動車運転体験ツアー
・ハワイセスナ操縦体験ツアー
・現在計画中の白山市獅子吼高原パラグライダーツアー
どのように企画したか、どのような準備が必要かなど企画からツアー実施までのノウハウをすべてお伝えしました。
約80分、ほぼ画像・動画で構成した座学でイメージいただくことができたのではないかと思います。
その後福山駅に移動し路線バスに揺られて30分、古くは潮待ちの港、今はポニョで有名な名勝「鞆の浦」にやってきました。
バスから降りたところからペアを組み、1人はアイマスクを着用しまずは昼食の食事処「衣笠」まで220m手引きをしてもらいました。
最初は手引きの方法は伝えず、各自良かれと思う方法でお店まで手引きを体験。
幸い店内も混み合っておらず、ご迷惑かからない雰囲気だったので席に着くまで誘導してもらいました。
食事が提供されるところから再びアイマスクを着用してもらい、座学で解説したクロックポジション(時計の数字の位置で食事の位置の説明をする)を早速実践してもらいました。
昼食の後、鞆の浦のまちを歩きながら視覚以外で楽しめるスポットを探しました。
鞆の浦歴史民俗資料館では、触れることができない展示物(ガラスの向こうの書や解説)はどんなに丁寧に説明してもほとんど伝わらないこと、触れることができる展示物はアイマスクを着用するだけでもワクワク楽しめることを体感してもらいました。
町並み保存拠点施設「鞆てらす」には祭りの山車、お手火神事で使う大きな松明が展示してあり、係の人に確認すると、視覚障がい者をご案内した際には声をかけてもらえれば触れていただくのは問題ないですよ、とのこと。
祭りや神事にまつわる物に触れ、町のことや歴史を聴くのは楽しいですよね。
鞆の浦の名産「保命酒」のお店では、店先に展示してある生薬の香りを嗅ぐことができ、試飲もできます。鞆の浦ならではの香りは組み込まないといけません。
最後に鞆の浦のシンボル「常夜燈」を訪れました。
かき氷を食べながら1日を振り返り、感想や今後の思いを各自語っていただきました。
バスで福山駅に戻って17:00、研修は終了しました。
これからプログラムの内容を精査し、9月のツアー実施を目指して具体的に進めていきます。
今回は
・自治体(広島県、福山市)の事業ではないこと
・地域の旅行会社(福山観光旅行㈱)が参画していること
で実際に販売できるツアーを企画します。
想定する参加者数が集まるかどうかはツアー内容次第、久しぶりに旅行会社時代の売れるツアー創りのシビレる感覚がよみがえってきました。関わったからには最後まで頑張りたいと思います。
参加された皆さん、1日お疲れさまでした。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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