熊本城 天守閣まで車いすで上がれるバリアフリー城

6月15日(日)、熊本城をユニバーサルツーリズム視点でUDくまもと(くまもとユニバーサルツーリズムセンター)の内賀島代表にご案内いただきました。

9年前、2016年4月の熊本地震で甚大な被害を受けた熊本城、城内はいまだ復旧途中でしたが2020年に天守閣の復旧が完成し、2021年4月に公開が再開された時には天守閣の最上階(展望フロア)まで車いすで上がることができるバリアフリーな城として蘇っていたのでした。

私が知る限り、百名城、続百名城とある中で天守閣の展望フロアまで車椅子で見学できるのは大阪城と熊本城だけではないでしょうか。(他にもあったらご容赦ください、そしてお教えください)

これは熊本ユニバーサルツーリズムの象徴であり価値です!

なんせ、47都道府県で最後まで滞在したことがなかったのが熊本県、GWのツーリングで初めて熊本市内に泊まったくらいなので、恥ずかしながらこんなお城になっていること自体を知りませんでした。

桜の馬場 城彩苑」は大型バスの駐車場、熊本城ミュージアム「わくわく座」、土産屋・食事処が集まる熊本城観光の拠点です。ここで内賀島さんと待ち合わせ、あの天守閣最上階までスタート!

下から坂を登っても行けるとのことでしたが、今回は城彩苑から二の丸までを運行している無料バスを利用しました。

城彩苑から行幸坂を上がった「南口券売所」までバスで移動。

前の階段の手前に南口券売所があり、階段の脇のエレベーターで1つ上に上がります。

エレベーター脇には電動アシスト車いすが用意されています。(電動車いすではありません)

付き添いの方が車いすを押すことが前提で、登り坂ではアシストで楽に上がれて、急坂の下りの際は逆にゆっくりになってくれるので安全に移動できます。

エレベーターで1つあがると

地震後の復旧工事の様子も見学できるように設置されたウッドデッキでフラットな特別見学通路で天守閣に向かいます。

先のエレベーターを上がると天守閣のレベルになります。

しかし、天守閣の手前には急勾配の「闇り(くらがり)通路」があります。

脇に係員がいて、手動車いすの際は手伝ってもらえるそうです。

今回は電動モビリティ「WHILL」を使用、念のため私が後ろに立って手を添えましたが手伝うことなくグイグイとこの坂を登って行きました。

「闇り(くらがり)通路」を抜けると天守閣、天守閣の入口も前方のスロープで入場できます。

一般の方は階段を使って見学となりますが、高齢者、車いす、ベビーカー等配慮が必要な方はエレベーターを乗り継いで天守閣最上階の展望フロアに上がれます。

エレベーター内は決して広くはなく、混み合う時間帯は待ち時間も長くなるので熊本城の見学にはゆっくり時間を取られると良いと思います。

展望フロアからは熊本市内を一望できます。

バス乗り場から天守閣までを動画で記録しました。闇り通路の急勾配をグイグイ登るWHILLの様子もご覧いただけます。

翌日の6月16日(月)には、夕方から熊本城のスタッフ向けユニバーサルツーリズム研修が実施されました。

7割の方が、今回初めて「ユニバーサルツーリズム」という言葉を知ったとのこと。

自治体が推進しているところでは比率は逆転すると思います。

想定していたことなので、まずはユニバーサルツーリズムを知ってもらうために、画像や動画をふんだんに散りばめ、前日の電動モビリティでの見学の様子など具体的にお伝えすることができました。

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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。