9月10日(水)、JR武蔵五日市駅から徒歩10分、あきる野市の秋川橋河川公園にて東京都令和7年度事業「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業」の2回目『秋川渓谷自然体験(チェアリング&川釣り&SUP体験 ワークショップ・モニターツアー』が実施されました。
朝、9:50JR武蔵五日市駅前に旅行会社や観光事業者等の参加者が集まります。
今回は盲導犬ユーザーも参加。視覚障がい者望月さんとは20年以上のお付き合い(ツアー参加者)で、私と出会ってから5代目の盲導犬です。
今回地域にお借りした中川自治会館まで移動すると、車いすの子どもたちがご家族と自家用車で登場。
事務局、関係者、参加者、総勢50名弱が集会所に集まりました。
当初の予定では、午前中にアクセシブル・ツーリズムセミナー、昼前から河原での体験&BBQの予定でした。しかしこの日は午後から雷雨予報、急きょ内容を入れ替えて体験から実施となりました。
最初は自治会館から河原まで約200mを参加者にはペアになってもらい、アイマスク、手引き(視覚障がい者のサポート)体験。
手引きの方法を学ぶという目的ではなく、アイマスクをするとどこに不安を感じ、どのような情報が必要かを体験してもらうという理解のためなので、あえて一般的な手引き方法も伝えず各々良かれと思う方法で誘導してもらいました。
河原に到着後、今回講師としてお招きしたNPO法人ユニバーサルツーリズム総合研究所の長橋理事長と、手引きの注意点等を解説しました。
その後、参加者の中で今まで車いすを扱ったことのない方を中心に、車いすの機能や基本的な操作、今回は河原のような砂利では車いすをまったく押すことができないことを体験してもらいました。
本事業の「誰もが楽しめる自然体験型観光」では、このような環境の中でも様々な備品や専用のツールを活用することで、車いすでも楽しめるプログラムを作れるということを旅行会社・アクティビティ提供事業者に知っていただくことが目的です。
JINRIKI(車いすけん引装置)、HIPPO(アウトドア用車いす)、モビチェア(水陸両用車いす)の解説と実際に体験してもらいました。
事業者の皆さんが扱い方を理解した後は、用意したプログラムを障がい当事者の参加者をサポートしながら全員で楽しんでいただきます。
今回用意したビッグSUPは本来は山の向こう側の多摩川のダム湖で提供されているアクティビティです。
多摩川は川に降りるまで場所によってはビルの3階分の高低差があり、車いす使用者に楽しんでいただくことが難しいため、アクティビティ提供事業者の「ぼちぼちアドベンチャーすその」さんに、SUPを秋川に持ってきてもらい実現しました。
車いす使用者が安全にSUPを体験してもらうための検証を7月に実施したうえで当日を迎えています。
視覚障がい者の望月さんには、初めてというビッグSUPの大きさを触れて確認いただき、盲導犬と一緒に楽しんでいただこうと乗ってもらいました。
しかし・・・、盲導犬は揺れるSUPが怖いようだったので
インストラクターの太田さんのサポートで体験。
チビちゃんたちも、HIPPO、モビチェアを楽しそうに体験してくれました。
川下りが趣味だったというご両親は、息子さんが生まれてから初めて親子3人でSUP体験。インストラクターのようにオールを操作するお父さんの姿が印象的でした。
川ではもう1つのプログラム、「㈱東京山側DMC」によるチェアリング&川釣りが用意されました。
「みちくさの達人」こと山側DMCの櫻澤さんの指導のもと、横に持った短い竿を川の中に沈めて魚を釣るこの地域の伝統的な釣り体験は、参加者全員童心にかえって楽しめました。
川遊びを楽しんだ後はBBQ!
秋川橋河川公園バーベキュー場では、イス、テーブル、コンロ、薪、炭などの道具の貸出しがあり、提携している地元のお肉屋さんに、肉、野菜、焼きそばなどのセットを注文しておくと時間に合わせて配達してくれます。駅から徒歩10分、手ぶらでBBQが楽しめるのです!
体験を振り返りながら、旅行会社の参加者と障がい当事者の皆さんが一緒に食事をしながらの交流、じつはこのようなひと時がアクセシブル・ツーリズム推進のための理解には一番重要だと思います。
食後、自治会館に戻り14:00からは午前中に予定していた長橋理事長によるアクセシブル・ツーリズムセミナー
ご自身の旅行会社時代の体験や経験を交えて、
・アクセシブル・ツーリズムにビジネスとして取組む意義
・高齢者や障がい者が旅を通じて元気になられた事例
・東京都のアクセシブル・ツーリズム推進事業、様々な補助金
などを約60分、解説いただきました。
最後に参加者全員に1日の感想を語っていただき、16:00終了となりました。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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