8月21日(木)〜22日(金)、石川県白山市観光連盟主催のユニバーサルツーリズムモニターツアーが実施されました。
11:43、金沢駅に到着した参加者は介護タクシーに乗り込み、白山市に移動しました。
獅子吼高原の麓、古民家カフェ「白山キッシュハウス クゥーイ」で昼食からスタート。
昼食後は、スカイ獅子吼パラグライダースクールへ。
2年前のユニバーサルツーリズム視点での市内視察の際に、空を舞ういくつものパラグライダーを目にして、視覚障がい者にこのアクティビティを提供できるのではと関係者に伝えました。
約20年国内外の視覚障がい者ツアーや「世界初!視覚障がい者夢の自動車運転ツアー」を企画した経験から、空を飛んでいる間は健常者も視覚障がい者もインストラクターと風に身を委ねるだけ、飛び立つ時と着地の時に、視覚に障がいがあっても安全にできるか?を確認ができれば判断できます。
スクールの方からは
①飛ぶ時:10m程度走ることができればいい
②着地の時:お尻に大きなクッションがあるハーネスでお尻から着地する(視覚で着地のタイミングを計る必要がない)
3歳から80代まで参加の実績があります。
それがわかったので、昨年11月に私がアイマスクをして安全の検証を実施しました。
検証の結果、安全に飛ぶことができることが確認でき、実施に向けてはパラグライダーがどのような仕組みで空を飛ぶかが伝わるように、飛ぶ前には触れてもらいながら解説をするというような工夫を加えました。
このような準備を経てこのたび視覚障がい者モニターに実際に体験いただきました。
飛び立つ時に「鳥になりま〜す!」と叫んで空に舞った久保田さん、着地後の感想は「全人類飛んだほうがいい!」というくらい楽しんでいただけたようです。
メディアの取材も入り、翌日の中日新聞朝刊で紹介されました。
(中日新聞8月22日朝刊)
このようなモニターツアーでは、課題の提示も重要になります。
獅子吼高原のゴンドラは、下の乗り場までの階段は外のスロープで解消されていて、小さめのキャビンは人と車いすを分けて乗ることで山頂まで上がることができます。
しかし、山頂駅でキャビンから降りると出口に向かう2ヶ所には階段しかありません。
今回のモニター参加者は手すりにつかまりながら階段の昇降が可能だったので、山頂からの景色を楽しんでいただくことができましたが、高齢者や全く歩けない車いす使用者の場合は外からの景色を見ることができません。
階段の奥のスペースに、下の乗り場同様折り返しのスロープに改修されれば車いすだけではなく、歩行器やベビーカー、誰もが楽しめる獅子吼高原になると思います。
次に訪れたのは「白山比咩神社」です。
北参道駐車場からはわかりやすい「車イス用通路」という表示に沿って参拝できます。正式参拝で本殿に昇殿する場合は、脇の参集殿からエレベーター、スロープで本殿まで移動できます。
参拝後、獅子ワールド館を見学いただきました。
獅子頭の製造工程を工程ごとに削られた木に触れて学べ、その後巨大獅子頭に触れたり見学したりとお2人とも楽しんでいただけました。
その後、白山市民にも大人気のピザ・パスタ「もく遊りん」での夕食で初日が終了となりました。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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