兵庫県は今年全国で初めて「ユニバーサルツーリズム推進条例」を制定し、ユニバーサルツーリズム推進が加速している自治体です。
2021年11月に知事が世界一バリアフリーな観光地を目指すと宣言されたニュースから注目していました。
取組みの1つに旅行者や観光事業者の相談に対応する「ひょうごユニバーサルツーリズムコンシェルジュ」の育成があり、今回は11月14日(埼玉県民の日)昨年度認定された第1期(17名)の皆さまのフォローアッププログラムでの講演の依頼を受け姫路を訪れました。
参加者は認定に際しての講義の中で、ユニバーサルツーリズムとは?高齢者や障がい者の対応など基本的な事の多くはすでに学ばれています。
その先には国内外から多様な方々が兵庫を訪れたくなる着型プログラムも必要ということをお伝えしたく、国内外のツアー事例や他地域の事例から何かできることがないかを考えるきっかけとなるような構成で準備してきました。
しかし、当日の午前中に車いすユーザーの三代さんと姫路城を見学したため、そこで私自身が気付いたことに急きょいくつかのデータを差し替えてお話をしました。
お話していない事も含めて観光地としての「姫路城」について以下は私の感想です。
まず姫路駅から姫路城お濠までの1km弱の歩道は広くフラットで車いすでも通行しやすい道です。
一方、この距離は足腰が不安なシニア層にとっては大きなバリアとなりますが、駅から城までは多くのバス系統が通過するのでバスを使って長い距離を歩かず訪れることができます。
たまたま11/14姫路では、病院から駅までの1.2kmを自動ロボットで移動する実証事業が行われていましたが、姫路駅⇔姫路城間をこんなモビリティで移動できれば楽しそうですよね。
歩道が広く安全に移動できる優位性です。
こんなプログラムも姫路ならできそうです。
さて、姫路城ですが私もじつは初めての訪問ではたして車いすで上がれるのか?
ここでもJINRIKIを活用しました。姫路では、駅から城に行く途中にある「姫路ユニバーサルツーリズムセンター」で保有しています。
まずは上り方・下り方をご覧ください。
かなりの急坂があることがおわかりいただけたと思います。
確かに急坂ではありますが階段でない限り、タイヤは転がるので致命的なバリアではないのです。
姫路ユニバーサルツーリズムセンターでは、姫路駅⇔姫路城の大手前通りそして姫路城のバリアとバリアフリーをわかりやすく掲載した「ユニバーサルマップ」を作成されています。
①事前に情報を調べ ②便利な機器をレンタルし ③サポートできる人の同行
があれば
こんな写真や
こんな写真が撮影できる大天守まえの備前丸広場まで上がることができます。
多くの観光地では上記①②③は訪れる高齢者・障がい者が準備することがあたりまえと考えられています。
でも健常者はそんなことを考えて旅行に出かけていますか?
じつはユニバーサルツーリズムの着型プログラムの考え方の1つは、高齢者・障がい者が
①事前に情報を調べ➡事前に情報を調べなくても
②便利な機器をレンタルし➡便利な機器の使用も組み込まれた
③サポートできる人の同行➡サポートできる人も組み込まれた
ボランティアではなく有償の着型商品として開発するという考え方もあると思っています。
足軽の恰好をした若者たちが、江戸時代の籠をイメージして装飾された車いす(高齢者が乗りたくなるようなデザイン)をJINRIKIを使って備前丸まで上がるプランなどを考えるだけでもワクワクしてきます。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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