2日目はこの時期ならではの「みかん狩り」からスタート。
首都圏ではここ10年で車いすでも行くことができるバリアフリーフルーツ狩りを㏚する果樹園が増えてきた印象があります。
一番増えてきたのが高設水耕栽培で車いすでも楽に体験できるいちご狩りじゃないでしょうか、今回の「みかん」は山の斜面にあるイメージが強いですよね。
視覚障がい者も車いす使用者もまったく問題なくみかん狩りを楽しむことができます。
ただこの果樹園での問題はトイレです。
では、トイレがバリアフリーではないからバリアフリー観光としてふさわしくないかというと、そんなことはありません。
予めトイレの状況がわかっていれば、施設の近くの公共のトイレや公共施設、道の駅などと組み合わせて行程を考えればよいからです。
果樹園から4km、車で10分弱のところに公共のトイレがあり、この果樹園を訪れる障がい者団体は訪問前にここのトイレを利用されることが多いようです。
バリアフリー観光を考える時に、トイレは重要なポイントの1つですが「点(施設)ではなく面(地域)で考える」と観光地の選択肢は広がります。
なんと!この果樹園は、高知県の特別支援学校連合の皆さんが1度にバス十数台500名の受入れ経験もあるとのこと!
20年以上ユニバーサルツーリズムに携わってきましたが、そんな施設は聞いたことがありません。
香南市はこのような果樹園だけではなく、海では「YASU海の駅クラブ」を中心にユニバーサルビーチやヨット、サップ等のバリアフリー対応をしていて、地域でユニバーサルツーリズムを推進しています。
次に訪問したのは、「創造広場アクトランド」
高知県主催のバリアフリー観光推進セミナーにも積極的に参加され、園内はバリアフリーなので障がい者団体も多く訪れているようです。
スタッフの方々の意識も高く、今回初めて視覚障がい者モニターを受け入れるにあたりどこを、どのようにご案内すると楽しんでもらえるかを検討された様子がすごく伝わりました。
最初は、音声案内があるからと坂本龍馬の生涯を蝋人形で展示した「龍馬歴史館」
私も解説を聞きながら目を瞑って体験してみましたが、両隣のシーンの音声案内も耳に入ってくるので、音声だけで楽しむには少し工夫があると良いかもしれまん。
他の事例ですが下は、東京お台場にある「マダムタッソー」(世界のスターや有名人の等身大フィギュアが展示)という施設で、すべて触れることができます。
人形に限らず、展示物を口頭で説明するには限界がありほとんど伝わらないと思います。
施設のスタッフ同士で、片方が目を瞑り片方が解説をするような体験を実際にしてみると、よくわかると思います。「触れる」展示の有効性も確認できるはずです。
そんな展示がアクトランドには多くありました。
今では目にすることない古い車には「ご自由にお乗りください」のサイン。
ボンネットバスなど大きなトラックは、実際に運転席に座ることもできます。
大阪にある国立民族学博物館は、全盲の先生が勤務されていて「触る」にこだわった様々な展示がおこなわれています。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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