令和4年10月3日、北海道の滝上町に(一社)滝上観光協会が運営する「オホーツクユニバーサルツーリズムセンター」が開設されました。
11/9、東京に来られた滝上町役場、滝上観光協会、ホテル渓谷、活動を支援されている(一社)日本UD観光協会の皆さまと新宿の東京トラベルパートナーズでお会いし意見交換をしました。
※観光協会、ホテル渓谷、いずれも観光庁が推進する「心のバリアフリー認定」に登録されています。
まず今までの取組みをお聞きし興味深かった点は、ハッカ生産日本一ということで「香りの里」滝上町としてPRしていて、「香り」というキーワードから視覚障がい者にフォーカスを当ててユニバーサルツーリズムの取組みを考えられていることです。
全国の自治体がユニバーサルツーリズムの推進に着手しない、できない理由の一つに「動き出す前にあらゆる障がい者・高齢者に対応することを考えてしまい、整っていない事が多すぎて何から着手してよいかわからない、できない」という声をよく聴きます。
滝上町のように、入り口は視覚障がい者向けのサポートやプログラムでも、連携する観光事業者の理解が深まる(心のバリアフリー)と、車いすの人は?高齢者は?聴覚障がい者は?と、アイデアや工夫が生まれ、ハード面も整備されていくという流れが作られると思います。
また、ユニバーサルツーリズムPRの都内キャラバンをセンターだけでなく、行政、宿泊施設が一緒に動かれていることに驚きました。
全国にある高齢者・障がい者の旅行相談窓口の中には、行政とはつながっていても観光事業者との連携が作れていないというところもあります。
滝上町のようにセンター⇔行政⇔観光事業者が三位一体となることで、ユニバーサルツーリズムの推進は加速するはずです。
もう一つは、町内だけの取組みせず周辺自治体も絡めたオホーツクエリア全体のユニバーサルツーリズム拠点として開設されたことです。
紋別空港から入る観光客の多くは滝上町の芝桜を見に来るかもしれませんが、芝桜だけで帰るのではなく周辺の観光地も訪れます。それは高齢者や障がい者も同様で、せっかくここまで来たらアソコもココも行ってみたいとなるはずです。
点ではなく面でオホーツクエリアをカバーするために、観光協会の負担になっても中心になることを決められたことは素晴らしい事だと思います。
普通なら「花や草の上には入らないように」とされるハーブガーデンに入り、そこでヨガをやる。
ハーブなので、踏んだり乗ったりすりことで「香り」が広がりハーブの香りに包まれてヨガができる、斬新なプログラムですよね。
最後に、北海道の小さな町がユニバーサルツーリズムを推進に着手できたのは、(一社)日本UD観光協会の支援がポイントだと思います。
北海道で15年ほど前からバリアフリー観光に取り組まれているHKワークス株式会社さんが中心となり、活動されている様子は当時から目にしていました。取組みの一部として
・<人材育成>観光介助士(道内を中心に1000名以上取得)
・<入浴サポート>三助倶楽部
など、高齢者や障がい者が「旅先であったらいいなぁ」をカタチにされ、道内に連携の輪が広がっています。
北海道以外では、日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワークや日本バリアフリー観光推進機構という団体があり、加盟する全国の高齢者・障がい者の旅行相談窓口をアドバイス等をされています。
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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