7月19日(土)〜20日(日)、広島県福山市の名勝「鞆の浦」としまなみ海道「生口島」で愛知県の旅行会社「トラベルwithじぇぷと」(旅行業第2種登録)主催のユニバーサルツーリズム研修が開催されました。(企画:福山観光旅行株式会社/リハノワ)
講師を務める鈴木洋平さんとは3年ほど前に東京で開催したユニバーサルツーリズム勉強会で出会い、以降年に数回は相談&アドバイスと言う名の宴を重ねる仲です。
長年この分野に携わってきた立場として、客観的に見て現在国内で正しくユニバーサルツーリズムを推進しておられる数少ない旅行会社の一社だと思っています。
集合時間に合わせて福山駅前からレンタカーで鞆の浦へ。駐車場から会場に向かっていると
トラックから電動モビリティ「WHILL」とトヨタの「Cウォーク」が降ろされていました。
聞くとこの取組みに賛同されたネッツトヨタ広島が広島市から運んでこられたとのことでした。
会場となる「スープとおにぎりクランク」は障害のあるスタッフも働くおしゃれでバリアフリーなカフェです。
10:30、会場には東は東京、西は長崎と全国から20名の参加者が集いました。
職種も医療・福祉関係者9名(理学療法士・作業療法士・看護師・介護福祉士)、観光事業者6名、県観光連盟1名、その他とリハビリテーションに携わる人の参加が多いのもこの研修の特徴です。
旅が人を元気にすること、ユニバーサルツーリズムの重要性を実感している方々なのです!
参加者全員の自己紹介のあと、鈴木さんによるトラベルwithじぇぷとの取組みについての講演です。
豊田市で介護事業者として2012年に設立された合同会社P-BEANS、多くの利用者に『旅』のニーズがあり、旅に行くことを目的にしたリハビリテーションが心身機能の回復と心の活性化につながると2017年に旅行業登録し旅行部門を立ち上げた。
私が正しくユニバーサルツーリズムを推進していると感じたのは、2017年ツアー本数はわずか13本、参加者数124人だったのが2024年にはツアー本数170本、参加者数1,100人と毎年増え続け、さらにこのような研修を通じて全国に連携先を広げていることです。
毎ツアー、こんなアルバムも作られています。
その後、ネッツトヨタ広島の奥原社長からWHILL、Cウォークの解説があり午前中のプログラムは終了しました。
ネッツトヨタ広島からは十数名の社員の皆さんも参加されました。
ランチはもちろん「スープとおにぎり」
午後からは鞆の浦の街並みを、モビリティ、車いす+JINRIKIで2班に分かれて散策でした。
奥原社長に組み立て方、操作方法の説明を受け
2班に分かれてスタート
高台の沼名前神社まで急坂を登り、モビリティ・JINRIKIの機能を体験しました。
古い町並みの徒歩観光にはモビリティは大活躍間違いありません!
実際にまち歩きツアーとして販売されている事例もあります。
〈品川・天王洲アイルで実施されているWHILLアートツアー〉
鞆の浦バスセンターで2班合流した後、バスとリフト車両でしまなみ海道生口島、瀬戸田サンセットビーチに移動しました。
モビマットとアウトドア用車いすHIPPOを使ってユニバーサルビーチの設営から運営を体験しました。
新品同様のモビマットとHIPPO、どこが保有されているのかお聞きしたら
「おのみちかいぞくさんが保有している」とのこと???、昔は村上水軍、今は尾道海賊???と思ったらなんと!「尾道海属」だそうです。
さらに驚いたのは尾道市教育委員会の管轄ということで2度びっくり!
ほとんど波のない瀬戸内、夏の常設ユニバーサルビーチになると良いですね。
初日のプログラムを終えて、宿入りしました。
宿は障害のあるスタッフも働き、観光客だけでなく町の住民も集えるというコンセプトの
「ボナプール楽生苑」
めちゃくちゃ素敵なお宿です。
意見交換会🍺は深夜までおよんだとのこと。
2日目は9:30からボナプール1階のスペースで、1日目の体験、夜の意見交換を経てグループに分かれて1泊2日の旅行プランを作るというワークショップです。
長崎からの尾道ネコツアー、鞆の浦ポニョツアー、インバウンド向けの鞆の浦・尾道ツアー、大阪からのご家族記念旅行尾道・鞆の浦など各班の発表の後に参加者同士による感想や質問、旅行運営に関することなどは鈴木さん、そして昨夜合流したトラベルwithじぇぷとの坂元玲介代表がアドバイスをされました。
非常に充実した内容の2日間で、参加した方の地域で新たなユニバーサルツーリズムの取組みが生まれるでしょう。
このような取組み・活動を行政や観光協会、旅行会社、観光事業者(宿泊・交通・観光地・飲食)などがもっと知ることが重要だと思います。
ユニバーサルツーリズムは従来の観光業界の枠を越えたところで着実に進化・広がっていますね!
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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