東京都 八丈島バリアフリービーチ ワークショップ&モニター実施

7月10日(木)〜11日(金)の2日間、東京から約300km八丈島にて東京都令和7年度事業「誰もが楽しめる自然体験型観光推進事業」の1回目『八丈島バリアフリービーチ運営体験ワークショップ・モニターツアー』が実施されました。

※黄緑表示の箇所は該当のURLのリンクがあります。クリック・タップを。

都内の旅行会社やアクティビティ提供事業者など16事業者、障がい当事者、付き添いを含め計25名が羽田空港に集合し、全日空1893便(羽田12:25/八丈島13:20)で八丈島空港に到着しました。


伊豆諸島の中で唯一八丈島は羽田空港からの航空路線があり、約160人乗りの飛行機が1日三便往復しています。羽田空港からわずか55分!で東京から300km南の島に行けるのです。

バリアフリービーチを運営するための備品(ビーチマット10m✕2本・モビチェア)は東海汽船の大型船「橘丸」で運ぶため前日の夜22:30に出港し三宅島、御蔵島を経て10時間半、8:55に八丈島に到着していました。

1日目は、島内を2ヶ所(八丈ふれあい牧場・南原千畳敷)観光した後に八丈ビューホテルで座学講義と車いす体験です。

事業者参加者は中型バス、障がい当事者は民間救急フィールのリフト付バンで移動します。事前に予約することで、島内観光としても使えます。車内には車いす2台、その他に5人乗車可能です。

〈八丈ふれあい牧場〉

〈南原千畳敷〉

〈八丈ビューホテル〉

八丈ビューホテルは東京都のバリアフリー化補助金を活用し、洋室20室をアクセシブルルームに改修しています。


観光を終えてホテルに到着後は講義からスタート。

講義第一部:湘南バリアフリーツアーセンター榊原正博理事長

・湘南バリアフリーツアーセンターの取組み

・バリアフリービーチの運営方法

を解説いただきました。

拠点となる鎌倉では障がい者30名、ボランティア250名の規模で実施しておられ、それ以外にも東北から九州までバリアフリービーチの運営を支援されています。

長年の活動により、茅ケ崎藤沢では期間中常設でバリアフリービーチが設置されるまでになっています。今まで海水浴に行くことのなかった障がい者・高齢者が訪れ、マットはベビーカー連れも波打ち際まで、誰もが訪れる湘南ビーチとして観光誘客につながっているのです。


講義第二部:八丈島自然ガイドサービスしいのき大類由里子代表

・多くの方に自然を楽しんでもらいたい

取組みとして、障がい者のスノーケリング受入れ事例を解説いただきました。

八丈島では2005年から障がいの有無や年齢に関係なく誰でも参加ができるユニバーサルキャンプが開催されていて、大類さんは参加した障がい者のマリンアクティビティをサポートしてこられました。

車いす体験

座学の後は、ホテルの駐車場に場所を移し翌日のバリアフリービーチ運営のために車いすの機能や基本操作を学ぶ体験が行われました。

初めて車いすを操作する参加者もいて、なぜ旅行業者や観光関係者が車いすのことを知らなくてはいけないかなど解説し、観光地や悪路でのサポートの仕方などを体験いただきました。

バリアフリービーチ

9:30、底土海水浴場に集合しブリーフィングの後、バリアフリービーチの設営から参加者が行いました。

当事者の皆さんも大類さんの指導のもとウェットスーツを着用し、いよいよバリアフリービーチ

砂浜までのスロープはかなり急なため、参加者にはサポートの方法を見学いただきました。

ビーチマットの上は事業者の皆さんが実際にサポート。

途中でモビチェアに乗り換えて海にアプローチします。

あいにくの天気でしたが、底土海水浴場は水が綺麗な海水浴場ランキング1位で、少し先ではウミガメを見ることもできてスノーケリングが大人気なのです。

最後は参加者にサポートしてもらい、無事終了しました。

そして全員で集合写真をパシャリ!

意見交換会

すぐ脇の底土港船客待合所に場所を移しお弁当の昼食の後、参加者全員による感想や今後の取組みに活かせそうなことなどを発表いただきました。

今回は旅行会社10社、特に都内に拠点を持つ全国旅行業協会(ANTA)加盟、東京都旅行業第2種登録の事業者の方が多く、東京都アクセシブルツーリズム加速の可能性を感じる感想を多くいただきました。

もっとアクセシブルツーリズム、ユニバーサルツーリズムを学ぶ機会に参加したいという声もいただいたので、私からは東京観光財団の支援制度をご紹介しました。

東京観光財団アドバイザー派遣制度

東京都は東京観光財団を窓口とする「東京観光産業ワンストップ支援センター」という支援の中で、アドバイザー派遣制度があります。

制度を活用すると

・1回2時間程度

・年間5回まで

・無料

でアドバイザーの相談を受けることができ、私もアクセシブルツーリズム、ユニバーサルツーリズム分野でアドバイザー登録されています。


意見交換会の後は、航空機の時間まで八丈島を観光して空港に向かいました。

〈黄八丈ゆめ工房〉

〈あしたば加工工場〉

〈八丈ビジターセンター〉

八丈島空港17:30発の全日空1896便で、帰路につかれました。

バリアフリービーチの備品は航空機では運べないので、もう1泊し翌朝9:40発の橘丸に積込み竹芝港に戻りました。

9月12日(土)20:00、竹芝港に到着し湘南バリアフリーツアーセンター榊原号に備品を積んですべて終了となりました。

このような備品が島にあれば宿泊も交通も観光も食事もバリアフリー対応可能な八丈島でいつでも企画できますね。

東京都では今回使用した備品等の購入に対する補助金も用意されています。

誰もが楽しめる自然体験型観光推進補助金

東京都は令和5年度から島しょ地域のバリアフリー観光モデルコース策定にも着手しており、令和5年度は「八丈島」「大島」「小笠原」で調査、モニターツアーを実施し東京都のアクセシブルツーリズムポータルサイトで紹介されています。

0コメント

  • 1000 / 1000

office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。