6月7日(土)、姫路キャッスルグランヴィリオホテルにて(公社)姫路観光コンベンションビューロー主催のユニバーサルツーリズムフォーラムが開催されました。
(公社)姫路観光コンベンションビューローの西井常務理事による主催者挨拶の後、清元秀泰姫路市長他7名が登壇されました。
私が印象に残ったキーワードを勝手にリードにさせていただきました、ご容赦ください。
●西井常務理事 いくつになっても旅行を楽しめる観光地作り
先日観光庁より公表された観光白書を引用され、70代以上の高齢者が健康上の理由で旅行から離れていく、姫路市はそのような方々でも訪れてもらえるよう受入れ整備をしていくとユニバーサルツーリズムに積極的に取組む挨拶をされました。
●清元市長 姫路市が人口透析患者向けユニバーサルツーリズムに取組んだ理由
腎臓内科専門医でもある市長からは、昨年9月に実施した人工透析患者向けの姫路ユニバーサルツーリズムモニターツアーのお話がありました。医師として阪神淡路大震災では5000人以上の透析患者を香川県で受入れ、東日本大震災では気仙沼から北海道に80名の人工透析患者を移送した際のエピソードから、人工透析患者はほとんど家から離れる経験をしてこなかったため家を離れ北海道に行くことに大変不安を感じていた普段から旅を通じて外出を経験しておくことで、今後想定される南海トラフ地震等の災害対策になると、ユニバーサルツーリズムの重要性を語られました。
モニターツアーの様子は姫路市のYouTubeで紹介されています。
※スマホからだと「この動画は再生できません」と表示されるかもしれませんが、下の「YouTubeで見る」をタップすると視聴できます。
●親川理事長 アジア圏で親孝行旅行が増えている!
NPO法人日本ユニバーサルツーリズム推進ネットワークは当初5団体からスタートし、現在40を超える団体が加盟している。
那覇空港、福岡空港、羽田空港、石垣空港の「障がい者・高齢者観光案内所」を運営し車いす・ベビーカーの貸出しを行っているが、福岡空港での車いすの貸出しは全体の6割が訪日外国人。
特にアジア圏(韓国・台湾・香港等)で、このことは親世代を日本に連れてくる家族旅行(親孝行旅行)が増えていることの表れで、わざわざ国際線ターミナルから国内線ターミナルまで移動して車いすを借りて行かれるとのこと。
以下はお話を受けて私の感想です。
九州には全県にバリアフリー観光相談窓口があり、九州運輸局主導で横連携ができている地域です。温泉の入浴介助サービスを提供されているところもあるので、アジア圏向けのユニバーサルツーリズムはまだまだ可能性が広がると感じました。
●基調講演 三代達也さん
「車椅子で旅した日本と世界 また訪れたくなる“おもてなし”の街」
と題して、バイク事故から入院生活、リハビリを経て行った初めての海外旅行、その後の世界一周旅行のお話を通じて
情報と助け合いの心があれば、どこへでも行けるし、チャレンジできる
と語られました。
・海外のハード面、ソフト面のバリアフリー
・スペインの世界一インクルーシブなホテル
・移住した沖縄で若者たちと一緒に運営するイベント
など、動画をふんだんに使った講演はイメージしやすくヒントが満載でした。
最後に仏教・禅の言葉を引用され
知覚動考(ちかくどうこう:知って覚えて動いて考える)➡とも・かく・うご・こう!
というメッセージで締められました。
後半は関西で活動するセンターの活動紹介と企業によるリソース紹介でした。
●嶋津代表理事(泉州バリアフリー協会)
・阪南市役所、三代さんと表敬訪問2026年夏せんなん里海バリアフリービーチに向けて
・万博開催中、KIX泉州ユニバーサルツーリズムデスク(関西国際空港高齢者・障がい者観光案内所)設置、車いす・ベビーカー・電動モビリティWHILLの貸出し
今回の総会・フォーラムに先立ち
・6/5ユニバーサル交流会
・6/6万博ユニバーサルツーリズム勉強会&立たない立ち飲みバル開催
・ユニバーサルスポーツ「モルック」の普及
・衣川代表理事(城崎ユニバーサルツーリズムセンター)
昨年度の観光庁「地域観光魅力新発見事業」を通じて
・湯あみヘルパーの育成(城崎温泉入浴介助サービス)
・近距離モビリティWHILLの貸出し
・車いす使用者が着脱可能な浴衣の貸出し
・前川センター長(姫路ユニバーサルツーリズムセンター)
姫路ユニバーサルツーリズムセンターの役割
・おもてなし研修(コンシェルジュ育成)
・近距離モビリティWHILL、手動車いすレンタルサービス
・ひょうごユニバーサルなお宿紹介
・介護タクシーの紹介
・入浴介助サービス紹介
・姫路城、周辺のユニバーサルマップ制作
・杉浦本部長(WHILL)
近距離モビリティWHILLが全国の観光地、宿泊施設、レンタカー、商業施設で導入が拡大中
北海道ボールパークFビレッジでは21台!イベント開催時にはすべて貸出しとなる。
観光まち歩きツアーでの活用例
●栗原代表取締役(東京トラベルパートナーズ)
介護旅行、観光地からのオンラインツアーの実績を活かして、大阪・関西万博で
・会場内で車いすを押す、視覚障がい者の手引きをするサポート
・パビリオンの様子をライブ配信するオンラインツアー
・高齢者、障がい者向けバーチャル万博視聴サポート
2026年は鹿児島で開催、皆さま鹿児島で再会しましょう!
office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉
渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。
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