兵庫県 ユニバーサルツーリズム条例制定に向けて!

昨年(2021年)11月に「日本一、世界一を目指す」と知事が宣言された兵庫県。

年明けから検討会、セミナー、事業者アンケート、相談コンシェルジェ組織化、研修と一気にユニバーサルツーリズム推進が加速していましたが、1年経ち12月15日に「高齢者、障害者が円滑に旅行できる環境の整備に関する条例(仮称)」の制定が発表されました。


昨年11月の記事はコチラ

県のHPを読み解くと条例制定の背景には

①人口の減少・偏在化、少子高齢化の進行

 高齢者・障害者は県内人口の3割以上、団塊の世代が2025年には75歳以上に突入

②包摂性

 SDGs「誰一人取り残さない」持続可能で多様性と包摂性のある社会の実現

③ユニバーサル社会づくりに向けた社会的要請

 2024年5月までに障害者差別解消法の改正 事業者の合理的配慮の提供の「義務化」

④観光面でのニーズの高まり

 神戸2024世界パラ陸上、2025年大阪・関西万博

とあります。

①〜③、全国のすべての自治体に当てはまるのではないでしょうか。

そして、④大阪・関西万博は周辺自治体を中心に、全国の観光地は半年間万博に国内外から訪れる約2800万人の多様な方々の受入れ整備があって初めて誘客を㏚できるはずです。

その時に、うちの県には「健常者だけがたくさん来てください!」という自治体が選ばれるでしょうか?

兵庫県の動きは避けて通れないテーマにいち早く目を向けたという印象を受けました。

世界的なイベントに限らず、国内で開催される「国体・障害者スポーツ大会」「国文祭・障害者芸術文化祭」などのナショナルイベントの開催県も同様な動きがあり、2023年国体・障害者スポーツ大会を控える鹿児島県、鹿児島市はユニバーサルツーリズム推進を県で事業化し取り組んでおられます。

国体は、2024年佐賀県、2025年滋賀県、2026年青森県、2027年宮崎県と開催地は決まっており

国文祭は、2023年石川県、2024年岐阜県、2025年長崎県(調整中)

今後の開催地も、すでに開催した県を参考にユニバーサルツーリズムの推進に着手されることが想定されます。

全国の高齢者・障害者の旅行相談窓口の方々が上手く自治体の動きと連携されると正しく推進されると思います。



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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。