亜細亜大学 ユニバーサルツーリズム特別講義

2月6日(火)~7日(水)の2日間、亜細亜大学 経営学部 ホスピタリティ・マネジメント学科の学生を対象にトラベル研修としてユニバーサルツーリズム講義をお手伝いしました。 担当の久保田美穂子先生とは、2020年8月に長崎県のユニバーサルツーリズム推進事業でご一緒してからのご縁で、1年前に1回、2021年2月にも一度オンラインでの講義をしました。

1日目(2/6)は大学構内で座学&体験研修、2日目(2/7)は東京都神代植物公園と深大寺でのフィールドワークです。

座学は60分✕2コマ、せっかくの機会なので、これから就職を考え始める学生(主に2年生)に私がユニバーサルツーリズムに携わった経緯や旅行会社での30年、そして退職してからのことなどをお話しました。「私は旅行の専門学校(2年間)卒業なので、今の皆さんの時には春から旅行会社で働く直前だったんです」などなど・・・

入社して2年くらいからパッケージツアーのお客様のクレーム対応でしかお客様とお会いする機会がなかった話などは、平成・令和の若者にはどう響いたのでしょうか。

いろんなところでお話していますが、クレームの発生ポイントがわかればクレームの芽を潰しておけば喜ばれる旅行が作れると言う意味で私の財産の1つです。

国内外のユニバーサルツーリズ事例なども紹介しましたが、層として多いのは「足腰が不安なシニア層」。10年以上前に社内からは「歩きません!」という否定で終わるツアータイトルはない、とほぼ全否定された商品は、発売すると多くのメディアが取り上げその後同業他社が追従してきた話では、否定されるものにチャンスあり!柔軟な発想を!と伝えました。

午後は体験研修。

前日(2/5)東京は2年ぶりの大雪警報、雪の残る構内でしたが車いすユーザーにとってのバリアを体験してもらえました。

2日目(2/7)は神代植物園に集合し、フィールドワークを行いました。

温室では、園内の様子や花の香りなど視覚障がい者にどう伝えるか、視覚以外で何を楽しんでもらえるかを体験してもらい

園内では、観光地は普通に存在する段差の解消方法

数名でサポートする際の方法

階段しかない場合のサポート方法などを体験してもらいました。

植物園の裏門から出ると、深大寺へは下りの急坂が控えていますが東京都アクセシブル・ツーリズムポータルサイトではバリアフリー観光モデルコースとして紹介されています。

私が数年前にこのコースの策定に携わった際、深大寺→(上り急坂)→植物園は難しくても、その逆なら紹介できると下見やモニターツアーを実施した際の経緯を紹介しました。

午後は大学に戻り、チームごとに「足腰が不安なおじいちゃん、おばあちゃんを連れて行く1泊2日の旅行を企画せよ」という事前に伝えていたミッションを各チーム発表してもらいました。

細かい指示やヒントは一切しておらず、どんな提案でも可としていたのですが

・温泉➡温泉と言えば別府➡別府にある相談窓口「別府大分バリアフリーツアーセンター」➡別府2日間

・関西でどこか➡調べたら「伊勢志摩バリアフリーツアーセンター」がヒット➡伊勢2日間

・スキーが好きだったおじいちゃん設定➡調べたら「富士見高原リゾート」がヒット➡デュアルスキー2日間

奇しくも国内でいち早くユニバーサルツーリズム推進に取組まれている団体や施設の提案でした。

全く先入観のない学生が少し調べただけでヒットする。改めて地域においては情報の発信が重要ということが確認できました。

わずか2日間という限られた時間でしたが、何名かでも観光業に就職しそれぞれの立場でユニバーサルツーリズムの推進にも携わってくれたら嬉しいですね。

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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。