沖縄県 美ら海水族館は誰もが楽しめる施設

沖縄県北部、那覇市内から約90kmの場所にある「美ら海水族館」は2002年にオープンしたころから、首都圏からの特別支援学校や高齢者施設の沖縄旅行では欠かせない観光施設でした。

私自身、15年ほど前に都内の有料老人ホーム御一行をご案内しましたが、今回改めてユニバーサルツーリズムの視点で視察しました。

海沿いの斜面に建つ水族館は、約30mの高低差のバリアを解消する配慮が施設内にたくさんあります。

まず、駐車場の目の前には水族館の表示と同じ大きさで「車イス・ベビーカー貸出所」の看板があり

駐車場の一角で貸出しを行っています。

そこでは車イス10台、ベビーカー10台を貸出ししていますが、他の観光施設ではあまり目にしたことがない対応は、用意してある車イスがすべて「電動車イス」ということです。

わかりにくいのですが、駐車場から右の水族館までの歩道は相当斜度があり左に緩やかな車イス経路があります。どちらにしても下から戻ってくる際に手動車イスを押すのは相当大変になるからです。

水族館入口からは、一般の方はエスカレーター等で徐々に下りながら館内を見学しますが、車イス・ベビーカーの方にはエレベーター表示が「わかりやすく」設置されています。

美ら海水族館を象徴する巨大水槽&ジンベイザメ、ここにもこんな配慮があります。

1日3回実施される給餌は、多くの人がこの水槽の前に集まって見学します。

皆立って見学するので、このようなスペースがないと低い視線の車イスの方は、このようなスペースが設置されていることで気兼ねなく見学できますし、他の方も意識しますよね。
このような配慮は、祭りや花火など大勢人が集まるイベントのバリアフリー対応にも参考になります。

順路に従って館内の見学を終えると、知らぬ間にここまで低いところに来ていますが、もちろん戻るためのエスカレーター、エレベーターが設置されているので安心です。

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office FUCHI 〜オフィス・フチ〜 〈渕山知弘〉

渕山知弘 office Fuchiのサイト 東京2020オリンピック・パラリンピックを契機に宿泊、交通、観光のバリアフリー化が加速し「心のバリアフリー」が推進されています。 大手旅行会社で30年勤務し、そのうち22年間バリアフリー旅行、ユニバーサルツーリズムに携わった経験を活かして、全国の自治体、企業、学校等のユニバーサルツーリズムの推進をさいたま市の見沼田んぼの片隅からお手伝いしてます。